建築用語


〜 ひらがな 〜

アール・ヌーヴォー Art Nouveau 19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ各地で流行した芸術様式。曲線を多用した情感豊かな形式とされる。ドイツ語圏ではユーゲントシュティールと呼ばれる。
アーツ・アンド・クラフツ Arts and crafts 19世紀後期のイギリスで初めて用いられた術語で、主として手仕事によってデザインされた工芸品の全分野に対して与えれれた語。
アムステルダム派 Amsterdam Group 1910年代にアムステルダムを中心として活躍した建築家のグループ。個性的な表現を重視することは1920〜1930年代のドイツ表現主義と同様。
アノニマス anonymous 名のある人の手によらないこと、無名の人たちの手によることを示す語。
アーキグラム ARCIGRAM 1960年代から70年代初頭にかけて活躍したイギリスの建築家グループの名称であり、彼らが出版していた雑誌のタイトル。
ヴァナキュラー vernacular その土地の固有のものを指す。自然発生的で、非意図的、非計画的な建築である民家や集落が示す土着的な性格のこと。
拮抗 キッコウ 力に優劣がなく互いに張り合うこと。
キュビズム
グヮルディオラ邸 〔サンタ・マリア・デル・マール、スペイン(1986-88)〕
アイゼンマンの分析手法を象徴する作品であり、言語学と哲学と精神分析学が深く染み込んでいる。
彼が「グヮルディオラ邸」のコンセプトを練り始めたとき、デリダはプラトンの宇宙開闢論(うちゅうかいびゃくろん)「ティマイオス」についての書物『コーラ〜プラトンの場』の執筆に取り掛かっていた。
実現はしなかったものの、デリダとアイゼンマンがパリのラ・ヴィレット公園の設計競技のための「コーラ・L・ワークス」庭園案で協力したのはこの時期である。
これら2つのプロジェクトは、プラトンが場と物とのあいだに位置するような「非場所」として定義した形態の集積所、「コーラ」という概念を示そうとしたもの。
存在するもの全てに含蓄される「コーラ」は、その定義からして、表現しえないもの。
それは場所でも物質でもない。
「コーラ」は、その痕跡を沈殿させていく様々な形態の動きであり、ある種、感覚を持った実体の刻印を運ぶものとしてふるまう。
アイゼンマンはデリダの記述にある、刻印と痕跡という彼の考え方を取り入れ、「グヮルディオラ邸」を具体化した。
つまりそれは、刻印することと痕が残ること、あることとないことの間、その相互の動きで、砂浜の上に残された足跡のイメージというアイデアを具体化したもの。
コープ・ヒンメルブラウ 〔ヴォルフ・プリックス(ウィーン出身、1942-)、ヘルムート・シュヴィンスキー(ポーランド・ポズナニ出身、1945-)、フランク・ステッパー(シュトゥットガルト出身、1955-)〕
「建築を雲のように浮遊し、変化するものにする。」1968年にウィーンに設立されたコープ・ヒンメルブラウはそう表明した。
1960年代末にはすでに、破壊、攻撃、暴力、そして死としての建築活動など、彼らの急進的活動(インスタレーションと建築的ハプニング)は都市空間の中で形をあらわしていた。
1988年、MoMAでの先駆的な「脱構築主義者の建築」展は、このウィーンの集団を、一躍、美術・建築シーンの檜舞台にのせた。
コープ・ヒンメルブラウの建築思想を表す、ウィーン中心部に位置する弁護士事務所「ルーフトップ・リモデリング(屋根の改造)」(1984-89)は、ビルの最上階が改装され、多角形のガラスの屋根はそれに向けて大きく飛翔している。
数多くの設計競技に参加し、1991年に「オープン・ハウス」によって「Progressive Architecture」誌から権威あるPA賞を授与される。
彼らが受賞した最近の設計競技の中には、「雲」をメタファーに用いた、リヨンの「合流博物館」(-2005)、ミュンヘンの「BMW WELT、顧客・展示センター」、あるいはオハイオの「アクロン美術館」があり、そこでは新たな「雲のように浮遊し変化する建築」が漂うように存在する。
ザハ・ハディド (1950-)
イラク・バグダッド出身。レム・コールハースの建築設計事務所OMAでその建築家としての活動を開始した。
1988年MoMAで開催された「脱構築主義者の建築」展に参加。
戦略として脱構築主義を標ほうすると同時に、ロシア構成主義にも傾倒しているザハ・ハディドは、コンセプトがイメージに変化し、象徴の遊びが現実の秩序を打ち立てる、新たな空想的世界を創造する。
1983年の香港の「ザ・ピーク」のための設計競技で1位となり、その活動はすでに国際的に知られていた。
絵画的表現自体が彼女の建築探求の対象であり、同時にその手段でもある。
形態的には螺旋が空間的連続性の媒介となっている。
「ブループリント・パヴィリオン」(1995年)はメビウスの輪のような金属構造体の周りに巻きついている。
「カーディフ歌劇場」(1994-96年)計画案では螺旋の中にメイン・ホールがおさまっている。
2004年にはプリッカー賞を授与。
自動表現 Automatism もともとは生理学・心理学用語で、意識の介在なしに動作を行う現象をいう。1920年代のシュールレアリズム期には理性のコントロールを取り除いて意識下のイメージを記述することに用いられた。エルンストのフロッタージュ、ドミンゲスのデカルコマニー、さらに第二次世界大戦後、ポラックらのアクション・ペインティングを生み出すきっかけとなったといわれる。
シアム CIAM
セセッション Secession 「分離派」を意味する。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ドイツ、オーストリアに起こった芸術の革新運動。アール・ヌーヴォーあるいはユーゲントシュティールの影響を受けつつ、これをされに20世紀的な運動へと推し進めようとした。
デ・ステイル De stijl
デュシャン DUCHAMP →マルセル・デュシャン
ドコモモ DOCOMOMO
バウハウス Bauhaus 1919年にW.グロピウスを校長として創設されたドイツ国立の造形学校。反アカデミズムの精神に基づき、技術時代の造形を追求したユニークな教育機関。デザイン運動のひとつの頂点を形づくった。
表現派 Expressionism 第一次世界大戦前のドイツを中心とした近代美術の一傾向で、主観的傾向と生命の表出としての芸術を目指し、建築にも影響を及ぼした。
ピューリスム ル・コルビュジエを
ピーター・アイゼンマン (1932-)
ニューアーク出身。
1988年のMoMAで行われた「脱構築主義者の建築」展にアイゼンマンも出品。
このときアイゼンマンはすでに理論家、教育者として長いキャリアを築いており「ニューヨーク・ファイブ」のメンバーとして13棟の個人住宅(うち5棟が建設された)の一連の実験を通じて、急進的なコンセプトを探求していた。
彼はミニマリスト的手法で、これらの住宅を重水に形態的変形の規則に則って構想した。
脱構築主義の大立者である彼は、多くの理論書を執筆し、アメリカ、ヨーロッパの多くの大学で教鞭を執った。
作品は、コロンバスのオハイオ州立大学の「ウェクスナー・センター」(1989年)、東京の「小泉産業株式会社本社社屋」(1990年)などがある。
コンピュータの使用がアイゼンマンをさらに複雑な形態操作へと導き、その代表的な作品としてオハイオ州コロンバスの「グレイター・コロンバス・コンヴェンション・センター」(1989-93)とシンシナティ大学の「アロノフ・デザイン芸術センター」(1988-96)を挙げることができる。
アイゼンマンの全てのプロジェクトは、その出発点において、哲学書と関連を持っており、建築とは構造あるいはプロセスである、と理解せれている。
移植、痕跡、刻印、重ね合わせ、メビウスの環、DNA構造といった数多くの概念を用いる一方、いつでもより複雑なプロジェクトにスケールをあわせ、精神と見た目を最重要視する傾向から、視覚、構想、主題を切り離す方向へと転換していった。
分離派 1920年に結成された日本の近代建築運動の先駆けをなすグループ。
フルクサス Fluxus 1960年代の始め頃から、NYを中心に、欧米各地で行われたハプニングあるいはイヴェントといった「行為」を表現形式とするグループ。⇒詳細。
ベルナール・チュミ (1944-)
スイス出身。パリで学び、チューリヒ連邦工科大学で建築を修めた。
1970-79年にロンドンAAスクールで、1976年ニューヨーク都市建築研究所で教鞭をとる。
その間の活動の全ては理論と「マニフェスト」の起草に費やされている。
たとえば「マンハッタン・トランスクリプト」や「スクリーンプレイズ」(1976-81年)がそれであり、これらは、後にロンドン、ニューヨーク、オランダで実現された「フォリー」という束の間の実験的建造物の最初のシリーズのもとになっている。
「カズ・ヴィード(虚のグリッド)」(1983)、「シネグラム・フォリー」「ラ・ヴィレット公園」(1982-95年)がそれに続いている。
1975-91年に執筆されたかれの数多い論考は「建築と断絶」にまとめられている。
脱構築主義を代表するひとりとして認められるようになったのは、1980年代に行われた「脱構築主義者の建築」展に参加し、形態や建築の刻印にではなく、「空間」と「動き」と「出来事」に結び付けられた思索を発展させた。
北欧デザイン ⇒詳細。
マルセル・デュシャン MARCEL DUCHAMP 1887-1968。今日的視点からは20世紀の最も影響力のある芸術家と考えられている。⇒詳細
ミッドセンチュリー midcentury 1950年代に活躍したアメリカの第2世代のデザイナーイームズ、ネルソン、サーリネンなどによって、豊かなアメリカのイメージは演出され、インターナショナルな文化となっていった。詳細あり。
メタボリズム metabolism 元来は新陳代謝の意。都市や建築を変化するダイナミックな過程としてとらえ、生物学との類比で構築された建築理論で、1960年代に顕著だった。機能的要請の変化によって各要素が機械部品のように取り替えられていく建築像を特徴とする。
モダニズム インターナショナルスタイル。国際近代建築。建築におけるモダンデザインとは、ツルピカの箱のような形のこと。
ラ・ヴィレット公園 〔パリ(1982-95年)〕
このプログラムでは、55万uの敷地に、文化、教育、スポーツ、レジャーといった数多くの活動を統合することを予定していた。
チュミは全敷地にプログラムの要素を配分して「散種」の手法に取り組むことを決めた。
都市の境界に位置し、出会いと交流と文化的交配の場である「ラ・ヴィレット公園」は3種類の要求に応えるものでなければならなかった。
すなわち、文字通りの意味での「活動」「移動」「遊び」の空間である。
チュミは積み重ねられた3つのシステムを提案し、これに応えている。
第1に、グリッド全てにバラバラに配置された金属製の赤い構築物「フォリー」によって物質化された「点」、第2に動線を示す曲がっているか、真っ直ぐの「線」、第3に遊び場のための緑の大空間が示す「面」である。
これらのシステムは同じグリッドの中で積み重ねられ、交差し、散策者を誘って、ある用途から別の用途へとさまよわせている。
この公園とそこで起こる出来事のコンセプトはポスト構造主義者達の著述や映画の様々なモンタージュ技法に影響された表現である「マンハッタン・トランスクリプト」と「スクリーンプレイズ」に由来している。
また、赤いパヴィリオンはコンスタンティン・メルニコフやロシア構成主義への敬意の表現である。
彼にとって、建築とは、形態や様式の枠内で定義される自律した原理ではなく、不均等で相容れない断片が結合したものなのだ。
レトリック rhetoric 巧みに表現する技法。
レム・コールハース (1944-)
オランダ・ロッテルダム出身。1968-72年ロンドンのAAスクールで学ぶ。
この期間を通じて1970年の「建築としてのベルリンの壁」、1972年にエリア+ゾーイ・ゼンゲリス、マデロン・ヴリーゼンドープとともに行った「脱出、あるいは、建築の自発的因人たち」の2つの理論的プロジェクトを練り上げている。
ここではコールはースは建築的イデオロギーの罪過を帰診法によって証明した。
2000年にはプリッカー賞授与。
大都市の文化が建築に与える衝撃を分析「錯乱のニューヨーク」を執筆し、1978年刊行。
1975年、ニューヨークからヨーロッパへ戻ったコールはースは、エリア+ゾーイ・ゼンゲリス、マデロン・ヴリーゼンドープとともに、ロンドンでOMA(Office for Metropolitan Architecture)を設立。
プログラムとして理論的にも実践的にも建築と現代文化の状況との新しい関係のあり方を定義することに取り組んでいる。
彼らは人口過密で不安的な現代社会の様々な問題に新たな解決法を見出すことに熱心である。


〜 アルファベット 〜

A Art Nouveau アール・ヌーボー 19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ各地で流行した芸術様式。曲線を多用した情感豊かな形式とされる。ドイツ語圏ではユーゲントシュティールと呼ばれる。
B Bauhaus バウハウス 1919年にW.グロピウスを校長として創設されたドイツ国立の造形学校。反アカデミズムの精神に基づき、技術時代の造形を追求したユニークな教育機関。デザイン運動のひとつの頂点を形づくった。
C CIAM シアム
D DOCOMOMO ドコモモ The International organization for the Documents and Conservation of buildings,sites and neighborhoods of the Modern Movement の略。「モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査及び保存のための国際組織」で、1988年に結成された。保存のための組織とあるように、ただ建築史の中で重要というだけでなく、今も存在している建物が条件になっている。⇒詳細へ
De stijl デステイル
E
F Fluxus フルクサス 1960年代の始め頃から、NYを中心に、欧米各地で行われたハプニングあるいはイヴェントといった「行為」を表現形式とするグループ。⇒詳細。
G
H
I
J
K
L
M metabolism メタボリズム
midcentury ミッドセンチュリー
N
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